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住宅着工件数(新設住宅着工戸数)の推移|減少理由と大工への影響を解説
投稿日:2025.12.19/更新日:2025.12.19

現場で汗を流す大工さんのなかには、将来に対して漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
新設住宅着工戸数は年々減少を続けており、これまでのように「新築の仕事はなくならない」という時代は終わりを迎えようとしています。
本記事では住宅着工件数の推移と新設住宅着工戸数が減少している背景、そして大工としての技術を活かす「リフォーム業への転向」という選択肢について詳しく解説します。
住宅着工件数(新設住宅着工戸数)の推移と減少理由

まずは、現在の住宅業界が置かれている現実について、実際の数字とともに見てみましょう。
近年の住宅着工件数(新設住宅着工戸数)の推移
近年の新設住宅着工戸数は、年々減少傾向にあります。
2023年は約82万戸だった新築着工戸数は、2025年の予測では72万戸台にまで落ち込むとされており、2024年と比較しても約9%ほど減少する見込みです。
| 2023年 | 81万9623戸 |
| 2024年 | 79万2070戸 |
| 2025年(1~6月) | 36万1530戸 |
住宅着工件数(新設住宅着工戸数)が減少した理由
では、なぜここまで新築の着工戸数が減っているのでしょうか。
考えられる主な理由には以下のようなものが挙げられます。
- 少子高齢化・人口減少:単純に家を建てる若い世代が減っている
- 材料価格の高騰:木材や建材の価格が上がり、新築の販売価格も高騰。一般消費者が手を出しにくい価格帯になりつつある。
- 法改正の影響:断熱基準の適合義務化など、建築コストを押し上げる要因が増加している。
- ライフスタイルの変化:所有にこだわらず、中古を直して住むといった価値観が浸透している。
参考:一般社団法人 全国住宅産業協会|令和2年の住宅着工は9.9%減の81.5万戸、4年連続減~国交省、12月は9.0%減の6.5万戸、貸家・分譲住宅が減少
住宅着工件数(新設住宅着工戸数)減少による大工への影響

新築の戸数が減るということは、工務店やハウスメーカーの受注が減ることを意味しています。
これによって大工さんは仕事量が減少し、一つの現場が終わった後に次の現場まで時間が空いてしまう「あぶれる」状態が発生しやすくなります。
また、少ない仕事を同業他社と取り合いになることで、なるべく安く仕事を受けようと工賃(手間受け単価)が下落してしまいます。
大工さんにとって、技術があるのに安く扱われるという苦しい状況に追い込まれかねません。
大工の仕事がなくならない理由

新築が減る一方、実は「リフォーム」や「リノベーション」の需要は右肩上がりです。
新築を選択肢から外した層が中古住宅を購入して自分好みに直すケースや、今ある家を長く大切に住む動きが加速しています。
特に、以下のような要因がリフォームの需要を後押ししています。
- 新築物件の価格高騰
- 在宅ワークなどライフスタイルの変化
- 住宅の老朽化
- 高齢化によるバリアフリー化の増加
- 国や自治体のリフォームに関する補助金の充実
これらはいずれも、大工さんたちの高い技術がなければ成り立ちません。
関連記事:リノベーションとは?リフォームとの違いをわかりやすく
関連記事:未経験から即戦力へ|リフォームの実践型研修の内容を解説
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大工さんがリフォーム業に転向・参入する際は、「腕が良い」だけではうまくいかないことがあります。
新築は大工仕事に専念できますが、リフォームは「住みながらの工事」になるため、解体してみなければ分からない「現場の判断力」が求められるのです。
- 大工仕事とは違う段取りと多能工化:リフォームでは一人で幅広く業務をこなせる「多能工」のスキルが重宝されます。また、小規模現場を効率良く回す段取り術も不可欠です。
- 施主様への対応力:リフォームは施主様との距離が近いため、丁寧な接客や見積もりの説明スキルが仕事に直結します。
ハウスリフォーマー育成学院 北陸校では、大工としての既存の技術をベースに、リフォーム特有の「見積もり・段取り・接客・多能工スキル」を最短距離で習得できるプログラムをご用意しています。
新築の仕事が減るのを待つのではなく、リフォームという成長市場で選ばれる大工へ、あなたの技術をニーズに合わせてアップデートしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
住宅着工件数の減少は一時的なものではなく、構造的な問題です。新築市場が縮小していくなか、大工として生き残るための鍵は、「リフォーム・リノベーション需要への対応」にあるでしょう。
培ってきた大工の腕を腐らせることなく、さらに活かせるのがリフォーム業界です。
将来への不安を確かなスキルと自信に変えるために、まずはハウスリフォーマー育成学院 北陸校で「リフォームのプロ」への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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