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壁紙の剥がれの補修は自分でできる?簡単に見えて実は難しい!

投稿日:2024.10.07/更新日:2024.10.07

住宅の内装に欠かせない壁紙は、時間の経過とともに一部が剥がれてくることがあります。

 

壁紙の補修には高額な費用がかかるイメージがありますが、自分で補修ができれば費用を安く抑えることもできます。

 

本記事では、壁紙の剥がれ補修は自分でできるのか、補修の手順や作業時の注意点などを詳しく解説します。

 

壁紙の剥がれの原因

そもそも壁紙はなぜ剥がれてくるのでしょうか。主に考えられる3つの原因を解説します。

 

温度の変化

壁紙はある程度の厚みがあり耐久性に考慮して作られていますが、紙や布といった素材でできているため水分を吸収し膨張する性質があります。

 

また、秋から冬にかけて空気が乾燥してくると、壁紙に吸収された水分が空気中に放出され縮んでくることもあります。

 

このような膨張と収縮を繰り返すうちに、接着面から壁紙が少しずつ剥がれやすくなるのです。

施工不良

専門業者の施工品質によっても壁紙が剥がれやすくなることがあります。

 

壁紙は下地に専用の接着剤を塗布し、内部に空気が入らないよう密着させながら貼り付けていかなければなりません。

 

しかし、作業に慣れていないとわずかな空気が入り込んだり、施工の際に”たわみ”が生じたりすることもあるのです。

 

わずかな施工不良があると、はじめのうちはきれいな仕上がりに見えても時間の経過とともに壁紙が剥がれやすくなります。

カビや結露

意外な盲点となりがちなのがカビや結露の発生です。

 

たとえば、湿度の高い場所の壁紙を貼り替える場合、壁の下地部分にカビが発生しているケースもあります。

 

これを取り除かないまま壁紙を貼ると内部にカビが繁殖していき、下地と壁紙の間に空洞ができてしまい剥がれの原因になるのです。

 

また、結露も同様で、わずかな水分が少しずつ壁紙を剥がしていき、さらにはカビの繁殖を促す原因にもなります。

経年劣化

壁紙は一度施工すれば半永久的に使用できるものではなく、一般的に5〜10年ごとに貼り替えが必要といわれています。

 

年数が経過すると徐々に接着力が弱まっていき、特に壁紙の端や裾の部分から剥がれてくることがあります。

 

また、古い壁紙の表面には黄ばみや黒ずみ、傷などが目立ってくることもあるため、施工から年数が経過した壁紙は貼り替えを検討しましょう。

 

関連記事:フロアタイル施工とは?貼り方のパターンや費用について解説

 

壁紙の剥がれを放置するとどうなる?

壁紙の一部が剥がれていたとしても、「目立たない位置だからそのままでもいいだろう」と考える方もいるかもしれません。

 

しかし、壁紙と下地の間に隙間があると徐々にそれが拡大していき、大部分の壁紙が剥がれ落ちてくる可能性もあります。

 

また、下地部分にカビが発生していた場合、それを放置しておくと表面から内部にまでカビが進行していくおそれもあるでしょう。

 

壁の表面にできたカビであれば除去も簡単ですが、下地の内部にまでカビが浸透していくと除去が難しく、大掛かりな工事が必要になります。

 

被害の深刻化を防ぎ工事費を最小限に抑えるためにも、早めに手を打っておくことが大切です。

 

壁紙の補修に必要な道具

壁紙の貼り替えや補修作業には特別な資格が必要なく、材料や道具さえあれば自分で行うこともできます。

 

DIYに挑戦する場合、作業の前に揃えておきたいものは以下の通りです。

 

貼り替え・補修用の壁紙

補修のための新しい壁紙です。

 

壁紙全体を貼り替えるのではなく、一部のみを補修するのであれば現在のデザインや色と同じもの、あるいは近いものを選びましょう。

壁紙用接着剤

壁紙は専用の接着剤を使用して貼り替えを行う必要があります。

 

ホームセンターなどでは「壁紙用のり」や「壁紙用接着剤」、「クロス用ボンド」といった名称で販売されていることが多いです。

 

補修を行うのであれば少量タイプの接着剤がおすすめです。

カッター・定規

壁紙をきれいにカットするために、カッターと定規も準備しておきましょう。

 

壁紙は一定の厚みがあるため、グリップがしっかりとしたホールド性のあるカッターがおすすめです。

 

また、プラスチック製の軽い定規の場合、壁紙を押さえた状態でカットする際にズレてしまう危険もあるため、重量感のある金属製の定規が理想的です。

ローラー

ローラーとは、壁紙を下地に圧着するために使用する道具です。

 

ウレタンや樹脂など壁紙を傷つけないような素材でできており、片手で扱える小型の製品が多いです。

 

また、壁紙補修用のキットとして、接着剤とローラーがセットになった製品もホームセンターなどで入手できます。

ジョイントコーク

ジョイントコークとはコーキング材ともよばれ、窓枠や床面など壁紙の境目や継ぎ目部分に使用する材料です。

 

見た目は接着剤のようですが、継ぎ目部分に少量のジョイントコークを施工することで隙間が埋まり壁紙の剥がれを予防できます。

刷毛(ハケ)

補修面が広い場合に活躍するのが刷毛(ハケ)です。

 

壁紙を仮貼りした後、内側から外側に撫でることで余分な空気を押し出し、密着性を高めることができます。

 

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壁紙の剥がれを自分で補修する手順

業者に依頼せず自分で壁紙の補修に挑戦したい場合、どのような手順で作業を進めていけば良いのでしょうか。

 

5つのステップに分けて解説します。

1.剥がれた部分をカットする

剥がれた壁紙の補修は、四角形にカットした新しい壁紙を貼り付けるという方法で行われます。

 

そのため、壁紙の一部分が剥がれている場合には、その周囲にカッターで切り込みを入れて四角形になるようカットします。

2.接着剤を塗る

次に、取り除いた部分の壁の下地に接着剤を塗っていきます。

 

このときに重要なのは、ホコリやゴミ、古い接着剤の残りなどを徹底的に取り除ききれいな状態にしておくことです。

 

また、接着剤は大量に塗ってしまうと乾燥に時間を要したり、隙間から飛び出てくることもあるため、できるだけ薄く均等になるように延ばしながら塗っていきましょう。

3.補修用の壁紙をカットし貼りつける

カットした補修箇所の大きさに合わせて、補修用の壁紙をカットしていきます。

 

補修用の壁紙は剥がれた部分よりもわずかに大きいサイズを用意し、接着剤が塗られた部分に仮貼りした状態でカッターの刃を入れていくとカットしやすいでしょう。

4.ローラーで固定する

補修箇所に合わせて壁紙をカットできたら、ローラーを使用して馴染ませていきます。

 

特に継ぎ目部分の接着が甘いと剥がれ落ちる原因にもなるため、重点的にローラーを転がして自然な仕上がりを目指しましょう。

 

また、このときに余った接着剤が継ぎ目から出てくることもあるため、ティッシュなどで除去してください。

5.乾燥させる

下地に塗った壁紙用接着剤が完全に乾燥するまで放置します。

 

接着剤の種類や補修箇所の面積によっても乾燥時間は変わってきますが、部分的な補修であれば1〜2時間程度である程度乾燥することが多いです。

 

ただし、施工に不備があると時間の経過とともに壁紙が剥がれてくることもあるため、年のため2〜3日程度は仕上がり具合を注視しておきましょう。

6.ジョイントコークで仕上げる

補修箇所が窓枠や床に接した部分である場合、壁紙との継ぎ目部分にジョイントコークを注入することできれいな仕上がりが期待できます。

 

ジョイントコークは時間の経過とともに硬化するため、短時間で均等になるように施工することがポイントです。

 

さまざまな製品がありますが、定番のホワイトはもちろんベージュやグレー、ナチュラルといったカラーも用意されているため、内装に合わせて自然なカラーを選択してください。

 

壁紙の剥がれ補修が難しい理由

壁紙の補修作業は工程がシンプルで、上記の内容を読んだだけであれば「自分にもできそう」と感じる方も多いかもしれません。

 

しかし、実際に作業をしてみると意外と難易度が高く、最後はプロの専門業者に任せることになったというケースも多いのです。

 

なぜ壁紙の補修作業は難しいのか、初心者が苦戦しがちなポイントをご紹介しましょう。

継ぎ目をぴったりと合わせるのが難しい

補修作業において特に大きなハードルとなるのが、補修箇所に合わせて壁紙をちょうど良いサイズにカットすることです。

 

補修箇所に沿って壁紙をカットしたつもりでも、実際に貼り付け場所に合わせてみると数ミリの隙間が空いてしまったり、縦横のサイズが微妙に合わないといったケースが少なくありません。

 

継ぎ目が合わない状態で無理に作業を進めてしまうと、わずかな隙間から壁紙が剥がれてきたり、気温や湿度の変化によって徐々に隙間が目立ってきたりすることも多いです。

シワや気泡が入らないようにするのが難しい

特に補修箇所の面積が広い場合、新しい壁紙を貼り付ける際にシワや気泡が入り込みやすくなります。

 

これを防ぐためには、端の部分からムラのないように丁寧にローラーを転がし、下地に壁紙をしっかりと固定することがポイントです。

 

しかし、作業に慣れていない方はコツや感覚がつかめず苦戦することが多いのです。

 

また、作業に慣れていないと、わずかな気泡が入ったことに気づかないまま作業を進めてしまい、時間が経過してから仕上がりの違和感に気づくこともあります。

壁紙や下地の素材・壁の形状で難易度が上がることも

一口に壁紙といってもさまざまな素材があり、貼り付け面である下地の状態もさまざまです。

 

たとえば、物理的な力が加わって壁の一部が破損している場合、壁紙の補修だけではなく下地の加工や補修も必要になります。

 

また、柱や梁などの凹凸がある部分に貼られた壁紙を補修する際には、平面よりも複雑な形状のため作業の難易度が上がります。

 

このような部分の補修作業を無理に進めてしまうと、不自然な仕上がりになったり時間の経過とともに再び壁紙が剥がれてくることもあるのです。

 

関連記事:リフォーム職人になる方法を紹介!必要な資格や技術、年収についても!

 

ハスリフォーマー育成学院でプロの壁紙補修を学びませんか?

壁紙の補修作業を自分でできるようになるためには、実際にDIYなどを通して作業を経験していく必要があります。

 

しかし、より効率的に技術を習得したい場合には、プロの内装職人を育成するスクールでカリキュラムを受講するという方法もおすすめです。

 

ハウスリフォーマー育成学院北陸校では、最短11日間(80時間)で壁紙の補修や貼り替え、水廻りの交換作業などを学べるカリキュラムが用意されています。

 

特に壁紙の貼り替え作業は今回ご紹介した壁紙の剥がれ補修よりもはるかに難しく、初心者にとってはハードルの高い作業です。

 

これらを含めさまざまな作業を短期間で習得できれば、今以上にDIYの幅が広がっていくでしょう。

 

また、実際のリフォーム現場でも使用されているメーカーの製品を教材として使用しており、実習を中心とした少人数制のカリキュラムのため効率的に技術を習得できる強みがあります。

 

ハウスリフォーマー育成学院北陸校はゼロから専門的なスキルを学べるため、建築業界未経験者が少なくありません。

 

「DIYのスキルを身につけたい」という方はもちろんのこと「手に職をつけてキャリアアップを目指したい」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

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まとめ

経年劣化や結露、カビなどの影響で壁紙の一部分が剥がれてくることは多く、補修作業はリフォームの中でも初歩的な内容といえます。

 

しかし、作業経験のない方にとっては決して簡単ではなく、ホームセンターなどで補修キットを購入して作業に挑戦しても失敗に終わるケースが少なくありません。

 

補修箇所の大きさや壁紙の種類、壁の形状などによっても作業の難易度は変わりますが、まずは今回ご紹介した作業手順を確認のうえ丁寧に作業をしてみましょう。

 

一連の作業を通して「DIYの腕を上げたい」、「内装職人を目指してみたい」と感じた方は、ハウスリフォーマー育成学院北陸校への入校もぜひご検討ください。