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リフォームの職人を育てるリフォーマー専門学校では何を学べる?

投稿日:2022.02.01/更新日:2022.02.03

職人

 

住宅を長く維持していくために不可欠なリフォーム。特に内装のリフォームは居住性や実用性を向上させるためにも欠かせないものです。しかし、リフォーム工事を請け負う建設業界は深刻な人手不足に陥っており、慢性的に職人の手が不足している状況です。

 

そんななか、「リフォーマー」とよばれる職人に注目が集まっており、リフォーマーを育成するための専門学校も設立されています。今回の記事では、リフォーマーとはどのような職人なのか、リフォーマー専門学校で学べる内容について詳しく解説します。

 

リフォーマーとは?

人

リフォーマーとは、別名ハウスリフォーマーともよばれ、おもにトイレやバスルーム、キッチンといった水回りの設備工事、クロスやフローリングの張替え、リペアといった内装工事を担う職人のことを指します。

 

日本語では「多能工職人」とよばれることも多く、中小の建設会社や工務店において高い需要を誇る職種です。

従来、リフォーマーになるためにはさまざまな現場を経験し、実績を積み重ねていく必要がありました。

 

しかし、最近ではリフォーマーの需要が高まっていることもあり、リフォーマーを育成するための専門学校が続々と設立されています。

 

一般的に専門学校といえば1年や2年といった単位で通学し、所定のカリキュラムを受講するケースが多いですが、リフォーマー育成の専門学校はそのほとんどが数日間から数週間程度の通学で技術を習得できるのが大きな特徴です。

 

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リフォーマーの需要が高まっている理由

では、なぜ専門学校が設立されるほどリフォーマーの需要が高まっているのでしょうか。

そこにはいくつかの背景がありますが、今回は2つのポイントに分けて紹介しましょう。

 

職人の人手不足

現在、日本は少子高齢化によって労働人口が急激に減少しています。これはさまざまな業界に共通していることではあるものの、特にリフォームを請け負う建設業界は労働力の減少が著しく、職人を確保するのが困難な状況です。

 

従来は職人が専門性に特化しひとつの作業を担うのが一般的でしたが、労働人口が減り続けている現在は複数のスキルを身につけたリフォーマーの存在が欠かせません。

 

生産性・利益の拡大

住宅のリフォームでは複数の箇所を同時に施工するパターンが少なくありません。

 

しかし、たとえば「水回りの工事」と「クロスの張替え」が同時に発生した場合、それぞれの作業を担う職人を2人雇用すると人件費がかさんでしまいます。

 

しかし、複数のスキルを身につけたリフォーマーがいれば、人件費の増大を抑えることができ、企業にとっては生産性が向上し利益の拡大にもつながります。

 

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リフォーマー専門学校で習得できる水周り関連の施工スキル

風呂場

リフォーマー専門学校ではおもに水回り関連の施工スキルを習得できますが、具体的にどのような内容を学ぶのでしょうか。

 

一口に水回りといってもさまざまなパターンがあるため、今回は4つのポイントに分けて紹介しましょう。

 

トイレの工事

トイレのリフォームを実施する際には、古い便器を取り替えるパターンはもちろんのこと、和式から洋式便器へ変更するケースもあります。

 

便器の設置方法はもちろんですが、古い便器を解体する手順や方法、トイレの状況に合わせて新たな便器を選定する際のポイントなども習得できます。

 

なお、リフォーマー専門学校ではリフォームの現場で役立つスキルを習得してもらうために、実習用の空間が多数用意されており、実際に手を動かしながらトイレの解体から設置までを一連のフローとして覚えることができます。

 

もちろん、実習の際には経験豊富な講師が手順に沿って教えてくれるほか、作業にあたって危険が及ばないよう適切にサポートもしてくれます。

 

浴室・洗面ルームの工事

古い浴槽から新しい浴槽への交換はもちろんですが、バスルーム全体をリフォームするケースも少なくありません。

 

また、浴室とあわせて洗面ルームも一緒にリフォームしたいといった需要も高いため、リフォーマー専門学校では浴室や洗面ルームの解体、および設置方法についても実習を通して学びます。

 

特に浴室はさまざまなパターンのデザイン、素材があり、予算によっても施工後の印象は大きく変わります。そのため、工事に関する技術的なスキルを身につけることはもちろんですが、顧客に対する提案の仕方や接客術なども重要な学習ポイントといえるでしょう。

 

キッチンの工事

キッチンの良し悪しは家事の効率性を大きく左右する重要なポイントです。老朽化に伴ってキッチンのリフォームを検討する以外にも、利便性を向上させる目的でリフォームを依頼する顧客も少なくありません。

 

リフォーマー専門学校では、従来型のキッチンの解体からシステムキッチンの取り付けに至るまでの流れを実践を通して学ぶことができます。

 

また、キッチンについても浴室と同様、予算に応じてさまざまなリフォームのパターンが考えられます。そのため、顧客に対する提案の仕方や宅内の状況にあわせたシステムキッチンの選び方にいたるまで、リフォーマー専門学校で学ぶべき内容は多いといえるでしょう。

 

壁紙(クロス)張り替え

トイレや洗面ルーム、キッチンなどのリフォームにあたっては、水回りの設備そのものをリニューアルするだけでなく、内装も新しいものに変更したいといった需要が存在します。

 

そのため、リフォーマー専門学校では水回り施工の一環として、壁紙(クロス)の張り替え作業も学ぶことができます。

 

古いクロスを剥がし新しいものに張り替えるパターンはもちろんですが、それまでクロスではなく砂壁などで構成されていた住宅についても施工方法を学べます。

 

なお、壁紙はトイレや洗面ルーム、キッチンといった水回り以外にも、リビングルームや寝室、廊下といったさまざまな場所に施工されることが多いため、多様な場面で重宝するスキルといえるでしょう。

 

リフォーマー専門学校で習得できる水周り以外のスキル

部屋

リフォーマー専門学校ではおもに水回り関連のスキルを中心に習得できますが、じつはそれ以外にもさまざまな施工について学べます。

 

専門学校によっても習得可能なスキルは多少異なりますが、代表的な2つのスキルをピックアップして紹介しましょう。

 

木部リペア補修

家具や家電を移動させた際にフローリングを傷つけてしまったり、重いものを落下させて凹ませてしまった経験はないでしょうか。

 

また、たばこの火種やアイロンなどによってフローリングの一部が焦げ、変色してしまうケースもあります。

 

フローリングの状態によっては張り替えが必要になることもありますが、軽度の傷や凹み、変色などはリペアによって補修することも可能です。

 

フローリングの張り替え

床材として用いられるフローリングは、廊下やリビングルーム、寝室などに幅広く活用されます。フローリングは経年劣化によって痛むことも多く、定期的な張り替えが必要です。

 

また、木材でできたフローリングだけでなく、トイレや洗面ルームといった水回りには塩ビ素材でできたフロアタイルが用いられることも。

 

リフォーマー専門学校では、クロスの張り替えだけでなくフローリングやフロアタイルといった床材の張り替え作業についても学ぶことができます。

 

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リフォーマー専門学校の習得期間

カレンダー

冒頭でも紹介したとおり、リフォーマー専門学校は数日間から数週間程度の通学でリフォーマーに必要な実践的なスキルを身につけることができます。

 

多くのリフォーマー専門学校ではさまざまなコースが用意されており、通学期間によって習得できるスキルも異なります。

 

たとえば、あるリフォーマー専門学校では、1日8時間×3日間の学習で木部リペア補修のスキルを身につけられます。また、水回りの施工や壁紙、フローリングといった内装の施工スキルを身につけたい場合には、11日間にわたるカリキュラムが用意されています。

 

このように、自分自身がどのようなスキルを身につけたいかによってコースが選べ、短期間でスキルを習得できるのもリフォーマー専門学校の大きな魅力といえるでしょう。

 

まとめ

リフォーマー専門学校では水回りの施工を中心として、リフォームの現場で役立つ実践的なスキルを短期間で身につけられます。カリキュラムを担当する講師も経験豊富なベテランの職人が中心となっているため安心です。

 

さまざまな実践を積み重ねてフリーランスの職人として活躍するケースも多いため、手に職をつけたいと考えている方はリフォーマー専門学校への入学を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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