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【プロが解説】便座の交換を自分でする方法|失敗しないポイントや費用について知っておこう
投稿日:2022.09.01/更新日:2024.10.04
トイレは毎日使うものだからこそ経年劣化しやすく、特に便座は劣化してくると割れたりヒビが入ったりすることも。
便座の交換と聞くと「大掛かりな作業になりそう…」、「高額な費用がかかるのではないか…?」と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は便座の交換作業だけであれば専門業者へ依頼しなくても、必要な道具さえあればプロでなくてもできてしまいます。
本記事では、便座を自分で交換する手順や交換作業に必要なもの、気になる費用などについて解説します。
便座の交換を自分でする前に
自分で便座を交換する前に、押さえておくべき基礎知識について確認しておきましょう。
便器そのものが問題なのか便座だけが問題なのか明確に
壊れた便座を交換したら、実は便器そのものが破損していたということもあり得ます。
便器本体を交換する場合は自分自身での作業は難しいため、施工業者に依頼するのが一般的です。
便座の交換に要した労力が無駄になってしまう上に、便器の購入と施工でプラスの費用がかかってしまうため、必ず便座のみが壊れているのか、便器そのものの問題なのかを確認しておきましょう。
便器の種類を理解しよう
一口に便器といってもさまざまな種類があり、便器のタイプに応じて最適な便座を選ぶ必要があります。
便器は大きく分けて「組み合わせ(分離)型」と「タンク一体型」、「タンクレス型」の3種類です。
もっとも一般的なのはタンクと便器を別々に設置する組み合わせ型であり、ある程度選び方は自由が利きます。
これに対し、タンク一体型やタンクレス型の場合はメーカーや製品によってデザインや形状がさまざまであり、対応する便座を選択しないと設置そのものが不可能なケースがあります。
メーカーの説明書や公式WEBサイトなどで互換性に関する情報が掲載されているはずなので、どの便座が適合するかしっかりと調べて交換用の便座を購入しましょう。
ちなみに、便器本体ごとの交換となる場合は便器と便座が別売りとなっていることが多いため、必ずセットで購入しておく必要があります。
便座の交換を自分で行う際に必要な道具
交換用の便座を購入すると、固定金具などの取り付けに必要な最低限のものはセットになっていることがほとんどです。
ただし、これらは非常に簡易的なもので使い勝手は決して良いとはいえない場合が多いため、最低限、以下に挙げる代表的な工具および材料は準備しておきましょう。
- レンチ
- ドライバー(プラス・マイナス)
- 清掃用のクリーナーやクロス など
便座交換を自分で行う手順
自分で便座を交換する際は、下記の6つのステップで行います。
- 便座シートを外す
- 固定具を外す
- 便座を引き抜く
- 便座の縁を掃除する
- 便座用ベースを設置する
- 固定具で留める
①便座シートを外す
便座にカバーやシートを装着している場合は、作業がしやすいように便座シートを取り外しましょう。
②固定具を外す
次に、便器に固定されている便座の取り外し作業にかかります。
ボルトとナット、あるいはネジで固定されているのがほとんどであるため、これを外すことで簡単に便座を分離できます。
なお、便器によっては下側から覗き込まないと固定具が見つからない場合もありますが、基本的には便器の脇に備えられた化粧カバーを外すことで簡単に固定具を見つけられるでしょう。
固定ナットは便器の左右両サイドに固定されているため、必ず両方を取り外しましょう。
③便座を引き抜く
便座を固定している金具を取り外したら、便座を垂直方向に引き上げるようにして抜きます。
作業自体は難しいものではありませんが、便座の素材によっては重量があり、無理な体勢だと腰や腕を痛める危険もあるため慎重に作業を進めましょう。
便座を引き抜く前に、取り外した固定具がなくならないようにひとつにまとめておきましょう。
④便器の縁を掃除する
便座を取り外した後は新しい便座の取付作業に入りますが、その前に便器に付着した汚れをきれいに拭き取っておきましょう。
日頃から掃除をしているつもりでも、普段は固定されたまま隠れている部分にはホコリや汚れが溜まっているケースが多いです。
⑤新しい便座を取り付け仮留めする
新しい便座を取り付ける手順は、基本的に古い便座を取り外した際の逆の手順となります。
便座を購入したときに付属品としてセットになっている固定具を便器に取り付け、微調整が利くように最後まで締めず仮留めをします。
⑥固定具で留める
仮留めの状態で位置の最終調整をしたら、ボルトやナット、ネジなどを最後まで締めてしっかりと固定します。
このとき、固定具の締め付けが緩かったり、垂直に取り付けられていなかったりすると、便座にガタつきが生じてしまうため注意しましょう。
便座の交換を自分で行う場合の費用
自分で便座を交換する場合にかかる費用は、便座のタイプによって大きく変わります。
- 組み合わせ型の一般的な便器:1万円前後
- タンク一体型・タンクレス型:1万~5万円
- 暖房機能付き:3万円~10万円
組み合わせ型の一般的な便器の場合、普通の便座であれば1万円以下で購入でき、作業も自分自身で問題なくできるためコストを節約できるでしょう。
しかし、タンク一体型やタンクレス型の場合、各メーカーから専用の便座を購入しなければならず、デザイン性に優れたものや特殊な形状のものは数万円の費用がかかることも。
また、暖房機能がついた便座ともなると3万円から、暖房以外にも機能が付いていたりすると10万円以上の製品もあります。
ひとつ注意として、便座だけでなく便器そのものの交換は自分だけで行うことは困難であるため、費用はかさみますが、安全性重視で専門業者に依頼しましょう。
まとめ
便座の交換作業は意外と簡単であり、専門業者でなくとも自分で行うことができます。
初めて作業に取り掛かる際には不安を抱くことかもしれませんが、本記事で説明した手順のとおり進めていけば、多少時間はかかっても一人で交換できるでしょう。
もし自宅の便座が特殊なものではなく、“便座のみ”の破損で間違いないのであれば、ぜひ自分での交換作業に挑戦してみてください。
ただし記事中でもお伝えしたとおり、温水洗浄機能付きの便座や便器そのものの交換が必要な場合は給水設備や配管まで及ぶ作業が必須であり、初心者が挑戦するのは危険なケースもあります。
もし自分自身での作業が難しいと感じた場合には、無理せず専門業者に依頼するという選択をとりましょう。