ブログ
【初心者でも安心】床の養生のやり方をわかりやすく解説
投稿日:2025.05.15/更新日:2025.05.16
一般家庭でもDIYを行う方が多くなった近年、壁紙の貼り替えや室内で棚を作成する方は少なくありません。
しかし、作業のときに床を養生しておかないと、傷がついたり塗料や接着剤がついてしまったりと綺麗だった床の印象が悪くなってしまいます。
そこで、本記事では床を養生する方法を詳しく解説します。
養生の種類と用途も併せてチェックし、室内で作業を行う際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
床の養生材の種類と特徴
一口に床養生材といってもその種類はさまざまであり、その素材によって特徴や用途は異なります。
養生材の素材や特徴、使用する場面は以下のとおりです。
素材 | 特徴 | 用途例 |
ポリプロピレン(PP) | 耐久性・耐衝撃性・耐薬品性に優れ、長期使用可能 軽量で持ち運びやすい |
工事現場 引越し 搬入作業 |
ポリエチレン (PE) |
防水性が高く軽量 耐薬品性・電気絶縁性もあるが、防傷・緩衝性はやや劣る |
一般的な床養生 屋外イベント |
塩化ビニール | 弾力性・防炎性があり、洗浄して繰り返し使える 引裂や摩擦にも強い |
建設現場 火気使用現場 |
紙・パルプ | 使い捨てが前提であり表面フィルム加工で防水・防滑性を付与 分別・処分が簡単 |
短期間の養生 軽作業 |
布 | 厚手で塗料跳ね防止に有効 繰り返し使用できるものも多い |
塗装作業 イベント会得著得著 |
上記の素材で作られた養生材のタイプについて、詳しく解説します。
ボードタイプ
養生材が板状になったボードタイプは、よれることなくピッタリと敷き詰めることができます。
サイズがやや大きく運びにくいといったデメリットはあるものの、四つ折りタイプや軽量タイプも登場しており、使いやすいものを選べます。
シート(ロール)タイプ
体育館やイベント会場のように広い面積を養生する場合は、シートタイプのものがおすすめです。
折りたたまれているものやロールタイプがあり、一枚で広い面積をカバーできます。
そのサイズ感ゆえ、撤収時や保管時に支障が出る場合もありますが、専用の巻き取り機や収納用のシートハンガーを使えば問題なく対応できるでしょう。
パルプ・紙タイプ
パルプや紙製の養生材は、使用後に廃棄する際の分別がしやすいといったメリットがあります。
しかし、滑りやすかったり水に弱かったりといった難点があるため、用途や使用場所に応じて防水性や防滑性のあるタイプを選びましょう。
布タイプ
厚手の布で作られた養生材は、使い捨てではなく繰り返し何度も使えるため、コストパフォーマンスのよい養生材です。
塗料の飛び跳ねも予防でき、DIYで作った棚などの塗装にも使えます。
また、クッション性もあり、足に負担がかかりにくい点もメリットといえるでしょう。
用途・床材別のおすすめ養生方法
養生材は、用途や使用場所によって使い分ける必要があるため、それぞれの特徴を正しく把握しておくことが大切です。
続いては、用途・床材別におすすめの養生方法を解説しましょう。
建築現場・リフォーム現場
建築やリフォームの現場における、おすすめの養生材は以下のとおりです。
敷くときのポイントも併せて確認しておきましょう。
建築・リフォーム現場におすすめの養生材 | 特徴 |
樹脂製ボード (プラベニヤ、PPボードなど) |
耐衝撃性・耐久性が高く、重い資材や工具の落下から床をしっかり守る。 繰り返し使用できるため、コストパフォーマンスもよい。 |
緩衝性のあるロールタイプ (EVA、PE製) |
カットしやすく、広範囲に素早く敷設が可能。 裏面に滑り止めが付いたタイプなら固定も容易。 |
【ポイント】
- 隙間なく敷き詰め、養生テープでしっかり固定する。
- 滑り止め加工や防水性のあるものを選べば安全性・作業性が向上する。
引越し・家具の搬入
引越しや新しく購入した家具の搬入など、自宅にものを搬入するときにおすすめの養生材は以下のとおりです。
引越し・家具搬入におすすめの養生材 | 特徴 |
樹脂製ボード | 搬入経路や床全体をしっかりカバーできる。 |
パルプ製養生シート (表面フィルム加工) |
カッターで簡単に切れて防水・滑り止め効果もあり、短期間の使用に最適。 |
【ポイント】
- 養生材同士を少し重ねて貼り、隙間を作らない。
- 養生テープの粘着残りが心配な場合は、床に直接貼る部分はマスキングテープを併用。
無垢フローリング
自然の風合いが人気の無垢フローリングは、傷や塗装がついてしまうと、せっかくの魅力を失う可能性があります。
無垢フローリングを守るための養生材は、以下の通りです。
無垢フローリングにおすすめの養生材 | 特徴 |
養生ボード (弾力性・通気性のあるもの) |
通気性があり湿気がこもらないボード大部を選べば、無垢材の反りや毛羽立ちを防ぐことができる。 |
【ポイント】
- 養生前に床面を乾拭きし、ゴミや砂を完全に除去する。
【注意点】
- 養生テープをフローリングに直接貼らない。
- 粘着力の弱い養生テープを使用し、必ずボードの上から貼る。
- ブルーシートや合板は通気性や弾力性の点で不向き。
体育館・イベント会場
体育館やイベント会場のように広い面積をカバーしたいときは、以下のものがよいでしょう。
面積の広い場所におすすめの養生材 | 特徴 |
ターポリンや塩化ビニール製のシート | 防水性・耐久性が高く、土足や多人数の利用による傷・汚れを防止する。 |
【ポイント】
- 広範囲に敷設しやすいロールタイプや、大判サイズのシートが便利。
- 防炎性能が必要な場合は、難燃性素材を選ぶ。
DIY・短期間の軽作業
ご自宅でDIYを楽しんだり、軽作業をしたりするときは、以下の養生材がおすすめです。
DIY・軽作業におすすめの養生材 | 特徴 |
パルプ製養生シート (表面フィルム加工) |
防水・滑り止め効果があり、安価で手軽に使える。 |
マスカー (養生テープ一体型ポリシート) |
広範囲を素早くカバーでき、時間短縮にも最適。 |
用途・床材別の養生材まとめ
ご紹介してきた用途や床材別の養生材をまとめると、以下のようになります。
用途・床材 | おすすめ養生材 | ポイント |
建築・リフォーム現場 | 樹脂ボード、緩衝ロールタイプ | 耐衝撃、繰り返し使用可、滑り止め・防水性 |
引越し・搬入 | 樹脂ボード、パルプシート | 防傷、防水、隙間なく貼る、テープの使い分け |
無垢フローリング | 養生ボード(弾力・通気性重視) | 乾拭き、テープ直貼りNG、ブルーシートは避ける |
体育館・イベント会場 | ターポリン・塩ビシート | 防水・防炎・耐久性、大判で広範囲をカバー |
DIY・短期間作業 | パルプシート、マスカー | 防水・滑り止め、安価、手軽、広範囲を素早くカバー |
目的にあった養生材を選び、安心して作業ができる環境を作りましょう。
関連記事:内装工事における養生作業をする意味とは?|やり方・養生材の種類を解説!
床の養生に使うものと施工手順
最適な養生材が準備できたら、作業の前に床を保護しましょう。
床の養生に使用する道具や施工手順を解説します。
床の養生に使う道具チェックリスト
床を保護するために必要な道具は、以下のとおりです。
- 養生材
- 養生テープ・マスキングテープ
- カッター・ハサミ
- メジャー・定規
- ヘラ・ローラー
まず初めに、用途や床材に適した養生材、固定するためのテープを用意します。
テープは、床に粘着剤が残ることに不安な場合はマスキングテープも用意しましょう。
また、床面にピッタリ合うようにカットするためのカッターやハサミも必須です。
養生材によっては壁に当たる部分で折り返すことも可能ですが、固定するときに不具合が出る場合があるため、切断する方がやりやすいでしょう。
養生材の数量を決めるためのメジャーや、養生材を綺麗にカットするための定規も必要です。
床と養生材の間にゴミや砂などが入った場合、擦れたときに傷をつけてしまう可能性があるため、ピッタリとサイズを測らなければなりません。
養生をする床材にもよりますが、ハケで綺麗にしてから養生をすると安心です。
ローラーは、養生材同士をテープで固定したとき、テープをしっかり貼り付けるために使用します。
床養生の施工手順
養生材の施工手順は、以下の順番で行いましょう。
- 搬入経路・作業範囲の確認と整理
- 養生材の選定と準備
- 養生材の敷設
- 固定作業
- 仕上げ・確認
- 養生材の撤去
搬入経路や作業範囲の確認時は、用意したメジャーを使い、面積を割り出しましょう。
また、敷設がしやすいように邪魔になりそうなものは整理しておくと、作業がスムーズに行えます。
下準備ができたら、割り出した面積を参考に必要な量の養生材を用意します。
養生材は、用途や床材に適した素材・タイプのものを選ぶことが大切です。
用意した養生材を敷設できたら、ズレが生じないように養生材を固定します。
床面へ粘着剤が残ることが不安であれば、床面はマスキングテープ、養生材同士や壁面への固定は養生テープとアイテムを使い分けましょう。
余分な部分をカットし、固定部分をしっかり圧着できたら、最後に敷設漏れがないか確認して作業は完了です。
搬入や軽作業、イベントなどが終わった後は、養生材に応じた撤去方法で撤去します。
特に、引越しやリフォーム・家具の搬入などを行ったときは、床面に傷や塗料・粘着物の付着がないかもチェックしましょう。
床の養生で失敗しないための注意点とコツ
入念な下準備をしても、養生に失敗してしまうとやり直しになったり床材を傷つけたりしてしまう可能性があります。
床の養生で失敗しないためのポイントを学び、準備を無駄にすることなく最後まで綺麗に仕上げましょう。
用途・床材に合った養生材を選ぶ
養生材を選定するときは、用途や床材に適したものを選びましょう。
例えば、引越しや荷物の搬入など人の出入りが多い場所にマスキングテープで養生をしても、すぐにズレたり破れたりすることがあります。
また、無垢フローリングに通気性のないターポリン製などの養生材を使った場合、フローリングが乾燥して毛羽立ちの原因になります。
養生は床材の保護のために行うものであり、効果を最大限にするためにも、用途や床材にあった養生材を選ばなければなりません。
剥がしやすいテープを使用する
養生材を固定するテープは、養生テープやマスキングテープなどの剥がしやすいものを使用しましょう。
ガムテープのように粘着力の強いテープを使用すると、粘着物が残ったり、無理に剥がそうとして床が剥がれたりするケースも少なくありません。
目的に合った適切なテープで固定するようにしましょう。
養生材の境目付近は必ず重なるようにする
養生材を敷設するときは、隣合った養生材の境目が重なるように貼り付けることも大切です。
もし隙間ができてしまっている場合、隙間から塗料が染み込んだり、ズレて傷がついたりする可能性があります。
また、隙間ができた部分の床にテープがついてしまい、粘着物が付着する原因にもなります。
境目部分を重ね合わせた上で、テープで固定すると安心です。
関連記事:【フローリング・タイルの傷】補修方法や防止対策を簡単解説!
まとめ
引越しや新しく購入した家具の搬入、室内での作業などをする場合、しっかりと養生を行い床を保護することが大切です。
しかし、床材や用途にあった養生材を選択しなかったり、適切な敷設ができていなかったりすると、綺麗な床が傷ついてしまうでしょう。
また、塗料や粘着物が付着し、床の魅力を失ってしまう可能性もあります。
ハウスリフォーマー育成学院北陸校は、床養生を含め、さまざまな技術を身につけた多能工職人を目指せます。
技術を身につけてDIYのレベルアップを目指したい一般の方にもおすすめで、未経験の方でも最短11日間で技術の習得が可能です。
床の魅力をしっかり保護するために適切な養生材を選び、安心・安全な作業を身につけたいという方は、まずはお気軽にハウスリフォーマー育成学院北陸校へお問い合わせください。
少人数制による丁寧な授業で、職人としてのキャリアアップや、DIYの技術向上のサポートをいたします。
« 前の記事へ